前乗りして素直に「ごめんなさい」と謝れた。

SNSを見ているとビンギンでローカルに在住外国人を交えたサーフィンの大会の投稿を多く見かける。その中には久しぶりに見るビンギンサーファーの顔ぶれも多く、スンバワから画像を通してその姿を見ていると、やけに皆の姿が小綺麗で威厳を持った都会人に見えてしまう。もうスンバワの空いている海、渋滞などの無縁の道、人口密度が低い街に慣れてしまったのでバリの姿が違う視線で見えてきたのかと思う?

先日ペリスコープでサーフィンした時、オージーが速い波の奥からテイクオフをしようとしていた。私は彼が抜けて来れないと思い、「これはいけるぞ」と思い波に乗ると「ヒュー」と後ろから声がかかり、前乗りしてしまった事に気がついた。しかし高速の波でプルアウトできる場所が見つからず、少しのあいだ緩やかな斜面を探して走っていた。そうすると後ろにいたサーファーは渡しのすぐ横まで接近してきた。まだお互い波に乗ったままだが、とっさにsorryと言葉が出た。そして私は少しなだらかになった斜面でプルアウトができ、後ろにいたサーファーはそのまま波に乗っていって少し先でプルアウトした。私はすぐにそのサーファーの方に謝りのゼスチャーがわかるよう高く手を上げた。

この話を聞いて別に「それって普通じゃない?」と思われる方が多いと思うが、毎日バリでサーフィンしていた時は前乗りしてしまったとしてもこんなに素直に謝罪は出来なかったし、時には謝罪どころか前乗りをしてしまってもプルアウトすらする事も無い時もあった。

今SNSを通してビンギンサーファーを見ているように、「自分はバリに長く住んで、ビンギンの半ローカルだ。」みたいな変なプライドに威厳と人に対する虚勢を張っていたから海の中で前乗りををしてしまってもスンバワの様に上手に謝罪ができなかったのだろう。

7月後半から8月にはバリに行くのだが、SNS上で感じる皆の姿で想像してみると、虚勢を張った人間と威厳があるような格好をしている人間が沢山いると思うと「バリに行きたい。」と言う気持ちが半減してしまう。

バリも昔はスンバワの様なフィーリングの場所だったけれど、ジャカルタやその他の島から、移住外国人が増え人口密度が高くなり、急激な経済発展でスンバワにあるようなフィーリングは消え去ってしまった。そしてこの先も昔のように戻ることは無くそちらの方向に向かう一方だろう。

今日の朝も家の前は良い波だったけれど、この事を伝えたかったのでサーフィンせずにブログを書きました。