昨日の夕方から今月9か月になる娘が熱を出した。子供の熱だからすぐに引くだろうと思いいつも通りの時間21時には就寝しのたが夜中に夜泣きを繰り返し明け方になってもその頻度は変わらなかった。
子供が泣くたびに奥さんはミルクを与えたり、あやしたりで1時間ほど寝ると置きてを繰り返している姿を私は隣のベッドで寝ぼけ眼に見ていた。男が一緒になって子守をしたとしても、こういう時は何も役に立たないのは過去経験で知っているので、申し訳ない気持ちながらもただ見ているしか無かった。
朝方は小雨で雲が多く何時も夜が開ける6時前でも外はまだ暗かった。外が暗いせいか昨夜の子守で疲れているのか家族たちは6時の起床時間が来てもまだ眠っている。いつものルーティンで部屋の目の前のレイキーピークの波をあまり期待せずに見ると岩盤むき出しの引き潮で波はやはり小さい。波を見たりコーヒーを沸かしたりしているとやがて少し疲れた表情で奥さんが起きてきた。まず寝起きの第一声は「今日は午後からサーフィンに行きな。」で始まった。
やはり昨夜の子守で疲れているのだろう。「でもレイキーでのサーフィンは朝が良くて、午後に波が良い日は稀なんだけれどな。」と思いながら「うんうん」と返事を返した。
今日は大潮で朝は勢いよく潮が上げていき、時間が経つにつれ起きた時より大分潮が上げたのが遠目でも確認できるほどだ。そして潮に乗って波もどんどんサイズアップしている。大潮周りで良い波の時間帯は限られる為、私のお気に入りポイントのペリスコープは8時から10時の2時間のみだ。波予報の数値も小さくレイキーピークは誰もが楽しめそうな丁度良いサイズの波、サーファー達が宿泊するレイキーから20分かかるペリスコープはこういう時に空いている。
こんな海の状況を見ているとなぜか勝手に身体が動き初めて、子守りで疲れている奥さんに気が付かれぬよう少しずつ少しずつ普段朝奥さんがやる仕事を済ませ、こっそり家族が食べれる朝食と赤ちゃん用のミルクの準備をしてから、頻繁に波をチェックをしていると目の前のレイキーにはさらにセットの回数が増え始めた。
「午後からサーフィンして。」の奥さんの言葉もも完全に約束した訳ではないし、もうサーフィンしたくてひと時でも早く海に行きたい心境になっているので、奥さんの行動を監視しながらうまいタイミングでさっと海パンに着替えボードを片手に抱え、海行ってくるから。と伝えたら以外にも文句も言われず脱出に成功した。
ペリスコープの海が空いていることを確信しながら向った。ガタガタの田んぼ道を10分ほど走りいつものバイクを置く空き地に到着、普段波待ちしているあたりを見るとサーファー2人の姿が確認できた。今日は本当ならNO SURFで子守をしているかもしれないので、空いている海を見たときには「やったー」と普段このポイントの海を見る時よりもさらに喜びを感じた。
早速パドルアウトしていくと沖には10年ほど前からバリ島とレイキーピーク半分ずつ拠点を置きながら生活しているNORIさんと娘のLANAの2人だった。狙い通りに我々が入り始めると同時に波はサイズを増し、そして波数も多く3人では到底乗り切れないほどの数が来はじめた。ポイントの奥から割れる無人のブレイクを見ながら我々3人のみで「最高だね。」と交わしながらサーフィンを楽しんだ。
今日もまた自分のサーフィン歴史の1ページに残る日となった。