10年経って意外な一面が。

もう10年以上も一緒に暮らしている奥さんのキキ。今までには奥さんと違う3人の女性と生活を共にしたことがあるが、どれもキキと過ごした時間より短いが、でも短くて4年、長くて7年お互い分かり会えるには十分な時間を共にした。同じ人と3年も一緒に生活をしていると、「ウンコがぶりぶりと」出る音を聞かれても恥ずかしさも無くなり、逆に聞く側の場合でもそのような行為になんとも感じなくなるぐらいに性格や習性もわかり合える仲になる。

まだ建設中でトラックや運搬車両が乗り入れたりと工事現場のスンバワハッピーハウス。完成後は2500坪もある土地に庭を作っていく予定だが、大きな土地の庭造りには金額も大きくがかかってしまう。そんな事を見越して今雨季で植物が育ちやすい季節に、植物購入費コスト削減の為に自宅でブーゲンビリアとハイビスカスを挿木にして育てている。

今年に入ってから雨が少なくなってしまったが、それでも雨季なので少量だが定期的に雨が降る。こういう時はわざわざ水を与えて世話をしなくても挿し木をした植物たちは放置しておけば勝手に根付いて育っていく。実は家が完成する乾季には丁度植林できるだろうと計算して始めたのだが、一番はじめに300本のハイビスカス挿し木してから2~3日経った頃、なぜかキキが興味深く植物を覗いたり整列したりしはじめた。バリの家にも沢山の植物はあるのだが今までそれらに興味を示した姿は一度たりと見たことは無い。自ら植物の世話などをするとは思ってもいなかった彼女が、せっせと手入れをやり始めたので「10年も一緒に暮らしてきたのにまさか?」と驚いた。

私の知っているキキの人間性からすると「植物の世話なんてお手伝いさんやスタッフに任せとけ。」だと思っていたのに。

「10年経ってもわからない事があるのだな?」と思いながら彼女が植物を世話する姿を嬉しく見ている私。

そんなキキの行動を観察していると、朝起きたら一番に玄関前にある1200株の植物達を見に行く。そしてしばらくすると前夜に雨が降って植物達が水分を必要でない時もそうでないときも、必ず朝から水撒きをしている。その水撒きは一度で無く日中、夕方と行われ、雑草の手入れをしたり、植物たちを光が当たりやすい場所に順番に移動したりしっかり手入れをしている。

彼女のそんな熱心な姿を見ていた私は、「人が物事に没頭し、サボることなく毎日同じことを繰り返す事はいい事だなー。」と良い気持ちになる。

「キキは植物を育てるのが好きなんだ。」もしこの1200株の植物が大麻草だったら? それを知らずに毎日せっせと世話をするキキの姿をイメージしてみたら一人吹き出しそうに笑えてきた。

インドネシアは大麻草に対して厳しい法律があるのと、もう大麻を吸いたい気持ちは無いので今更大麻栽培などやらないが、これがまだインドネシアがゆるい時代のsecret gardenを作っている頃だったら、悪ふざけで、奥さんには木の名前を明かさずに、「この木が大きくなると高くで売れるから大切に育ててね。」と栽培させていた事だろう。