バリ島の犬たちは幸せなのか?

朝、家の玄関を開けて一歩外に踏み出すと、「待ってました。」と言うかの様に3匹の子犬が機嫌よく尻尾を振りながら、少し興奮した状態で私の足に纏わり付いてくる。

こいつらは、2ヶ月ほど前に息子のロブチェが近所からもらってきた、真っ黒な色の姉妹1組と白と茶色の1匹、共に同じぐらいの年齢の犬種も何だか分からない、いわゆるバリ犬と言われる犬たちだ。

私は自身が小学生の頃に飼っていたインコが死んでしまったときに凄く悲しい思いをしたせいなのか? ペット文化が少ないインドネシアと言う国に住んでいるせいなのか?動物(人間もかな?)を余計な愛情を注いだり必要以上には可愛がらない。

この子犬たちにはちゃんと名前もついているのだが、犬に対する興味が薄く一気に3匹も来たのと、おっさんで脳味噌が硬くなり、2ヶ月も経つのにまだどの犬がどの犬なのか名前を覚えていない。

子犬も一匹だけならまだ可愛いものだが3匹もいると餌の取り合いなどで喧嘩をしている姿などを見ていると全く可愛さを感じられない時もある。

朝波を見に行き、まだハイタイドと確認したので、餌を求めて私の横で待機している姿を横にコーヒーを入れて、こいつ等の事を見ていたら、何故か湘南のサイクリングロードで犬を連れている人たちの姿が浮かんできた。

私も含めて、インドネシアでは人間から「可愛い。可愛いねー。」と日本の犬のように飼い主から愛情を注いでもらえ無い犬たち。餌も十分に与えられず何時もお腹を空かしている。そして日本では当たり前だけれど、人間の住居の中で生活を共にしたり怪我や病気で動物病院に連れて行ってもらえることも無い。勿論ペットホテルやペットのお墓なんて物は無い。バリに何度も来られている方々は、これらの光景を目にした事がある人もいることだろう。

これに対して湘南のサイクリングロードで見かける犬たちは、海外産有名犬種で毛並みの揃いも良く、中には朝シャンして服も来ている犬もいる。食事に困ることは無く飼い主から精一杯に愛情を注がれ、何時もお腹を空かせて痩せ気味のバリの犬たちとは全く対照的だ。

家族の一員の様に大切にされ、道でウンコをしたら、それを人間に片付けてもらえるVIP待遇の生活をしている湘南で見る犬だが、その姿は鎖に繋がれ、人間を引きずるように舌を出しながら「ウフウフウフ」と何かを発散させるような姿であったり、家の敷地内から外に向かい吠えまくり、自宅のフェンス内から開放してくれとでも言わんばかりに動き回る犬がいたり。バリでは絶対に見ないような光景をよく見かける。これらの光景は日本では普通かもしれないが、バリの犬と比較して見ると、完全にストレスがたまり精神状態が良くない事が分かる。

さてこれを読んでみて皆さんならどちらが良いと思いますか。

私目線になってしまうが湘南で御主人様から愛情を注がれ何不自由無く暮らし、死んだらお墓も作ってもらえる犬よりも、お腹を空かして何時も餌を取ることしか考えてないけれど鎖につながれず、檻にも入らない、自由に走り回れるバリの犬達の方が幸福度は高いように感じられる。

実は、これらは、人間にとっても全く同じ事が言えるのではないだろうか。

さてと今日は犬の話をしましたが、朝はハイタイドなので10時からサーフィンです。波は胸ー肩、午後からはサイズアップしてくる予報が出ています。