最近は泥棒の話をよく耳にするようになって来た。

昨日の夕方は久しぶりに最近さぼり気味のランニングをした。汗だくになり「そろそろ家に到着だー」とトレーニング終了間際の安堵の気持ちになりながらペースダウン気味に走っていたら、すぐ近所のnominaという大型ビラのマネージャーに呼び止められた。

ストップすること無くゴールの自宅まで走りきりたかったが、「ちょっと来て」と手招きされたので止まらざるえなく、小走りの状態で彼の方向を目指して行った。

そうすると彼は「secret gardenにCCTVはついてる?」と聞いてきた。私は彼の質問に「何で?」と答えると携帯に保存してあるビデオを見せ始め、現在休業中でひとけが無いエアコンの配管が昨日盗まれた。と説明があった。色々と立ち話をしながら話の続きを聞いていると電気の線やらモーターなども最近盗難にあっている事を教えてくれた。

彼はバリ島から東に飛行機で1時間ほどのティモール島の出身でビンギンにある大型ビラでは10年以上働いている。私と同様地元では無いがビンギンの事をはあくしている。

そんな彼に「何で電気の線やらエアコンの配管が盗まれるの?今までそんな事あった?」と訪ねてみたら、そのような物が盗まれたのは現在までビンギンで長く働いて来た中で初めてのことだ。と返事が帰ってきた。

インドネシアでも彼の地元ティモール島やその他貧しいところでは、そのような物が盗まれることはあるのだが、インドネシアの中でも裕福なバリ島では、そのような物が盗まれるという話はこの20年ほど聞かない。

バリ島でも盗難はあるが、盗まれるものは現金以外は通常はアイフォン、ラップトップ、一眼レフなどだ。売ればお金になるサーフボードも盗難にあうことが無いのに、それが中古部品の電気の線やらエアコンの配管が盗まれるなんて通常では無い。

ランニングでドキドキなった心臓をさらにドキドキさせて彼からそんな話聞いて、別れ際には彼が「この話は誰にもしないくれ。」と言ってきた。

私はすぐになぜ彼がそう言ったかが理解できた。盗まれて騒ぎになると泥棒は警戒してもう来ないかもしれない。だから盗まれたことは内緒にしておいて、次は泥棒に罠を仕掛けて捕まるのだろうと。

しかし最近は泥棒が増えているようだ。実は先月私のバイクも自宅に近隣する駐車場から盗まれた。地元民はYUUのバイクだと知っているし、サーフボードキャリアも設置していないので、いかにもツーリストが乗っているレンタルバイクと違うことは一目見ると分かる。バリ島ではバイクの盗難は重い罪に問われ、インドネシアがインドネシア人のバイクを盗む事はごく稀、バイクを盗んだ事を地元の人間に見つかり袋叩きにあい殺されてしまうこともあるのだ。それはインドネシア人なら知っている出来事だが、そんなリスクをおって盗む。

うーん。これは非行少年のいたずらなどでは無い。近所のビラから盗まれたエアコンの配管にしろ私のバイクの盗難にしろ、本当にお金に困っての行動だろう。

2週間ほど前に最近泥棒や盗難が多いので気をつける様に。と不定期で送られてくる日本領事館のメールにも書いてあった。

バリ島(インドネシア)ではコロナで職を失っても正負が補填してくれるのはほんのわずかな金額のみ。それだけでは絶対に生活をしていけない。そして元々観光業中心で経済が回っていた島なので、今この時期に仕事を探しても無い。

お金は底を尽きて仕事も無にもありつけない。そして雀のなみだ程度補助金をもらってもどうにもならない。そんな状況に置かれてしまっている人が大勢いる。

彼らの気持ちはすごく分かる。もし私もそのような状況に追い込まれたらまずは泥棒するだろう。

ナイフで人からお金を巻き上げたり、商店を破壊して物を盗むより、こそドロやバイクを盗むほうが、まだ自尊心を傷めないと思う。そしてこのように追い込まれてしまうと詐欺をしてお金を取ろうという余裕と時間もなくなってしまう。だからまずはこそドロから始めるのだろう。

私は今年に入りスンバワとバリ島、2回の泥棒被害にあっている。そして泥棒被害にあった話もよく耳に入ってくる。バリに住み長い時間が経つが今年が一番泥棒と接点が多い年だ。それはなぜか? 皆さん察していると思うけれど、コロナのせいで困っている人が大勢いるからだ。

コロナが始まり自分も泥棒の被害者となりビンギンでも泥棒の被害に会う数が多くなっている。その一方で自分の身近な人、ビンギンの村人がコロナで死んだ。または重症化の話は聞かない。

小さな範囲の話だが、ビンギン周辺だけを切り取ってみるとコロナより泥棒の方が危ない事になるのではないか? 誰も死んでない、重症にもなっていないコロナで色々と封鎖した結果がこれだ。

この1~2ヶ月はデルタ株がどうのこうのと騒いでいるけれど、ビンギンで誰も死んでない。だからそんないうほど危ないはずが無い。泥棒は危ないと肌で実感できるのだが、コロナ、デルタが危ないなんて全然肌で実感できない。

学者や政治家、有名な人々に情報、ニュース、色々言ってるけれど。

もしもこれらの情報が一切なく何も知らないとしたら、皆さんどう思いますか? 想像してみて下さい。

それはコロナいう言葉も知らないし、マスクもせず普通に居酒屋で騒いで、グーの変な握手でなく普通に人と握手をして何も普段とは変わりのない生活を送っていることでしょう。

それで最近多くの人が風邪引いてるね。ともなんとも感じず時を過ごしていることでしょう。

私がこんなことブログに書いてもどうにもならないのですが、コロナの被害者なので(コロナ風邪の被害者では無く、封鎖のために経済が悪くなりその被害を受けた人の更に被害を受けた。)一言愚痴を言わして貰いました。

でも近いうちスンバワに行ってしまえばコロナムードと程遠い世界となり、現在貯蓄されてきたストレスは開放されるので、もうしばらくの間コロナに対する愚痴に付き合って下さい。

さて凶も天気が悪く小波で強いオフショアが吹いています。夕方から明日にかけてサイズアップの予報が出ているので期待できるでしょう。