明日の朝、原付バイク乗ってバリに帰ります。

今日は少しサイズアップしていたので、夜明けから海の様子を伺いながらハイタイドになるのを待っていた。

メインブレークのピークは朝一は潮周りが合うが7時には潮が上げ始めるので、ここでのサーフィンは2ラウンド目の午後の引き際狙いで、朝は上げ潮に良いポイントに行こうと決めていた。

先日より波は上がっているのでペリスコープが良い波かも知れない? しかし数日前私一人で貸し切りだろうと予想して行ったペリスコープには、ボードのノーズに大きなリップカールやらボルコムのシールを貼っている若手サーファー軍団が6人入っていた。私を含めて7人しかいないのだが、そんなサーファー達が6人もいると、私のような一般オヤジサーファーは全然波に乗れなくなってしまう。

話に耳を傾けているとペリスコープは撮影に向いているポイントらしい。彼らが好んで来てるのかカメラマンの指示で来たのか分からないが頻繁にペリスコープの波をチェックしているようだ。それなので波が上がった今日も、若手プロ予備軍達はペリスコープに行くのだろうな。と予測していた。

彼らがいたら波に乗れないし、「今日も先日に続き空いているカブルストーンに行こうかな?」と思いながらレイキーピークの波を見ていたら、私の宿の近くのボート停泊場に彼ら6人とカメラマンを載せたボートが出航した。ボートの行き先を見ていると、カメラマンを写真が撮りやすい場所におろしてから、サーファーを載せたボートは波がブレークしない安全なチャンネルに停泊させると、次々にサーファー達がボートから飛び降りピークめがけてパドルをしはじめた。

「ヨシ、彼らはペリスコープにはこない。」急いでトランクスに着替え、バイクのラックにボードを載せて、ペリスコープへ向かった。

何時も通る田んぼ道を抜けて、乾季になり農作物を刈り入れ、数ヶ月前より広く感じる駐車場にバイクを停車して、浜に出ると、海は思った通りガラ空きだった。沖に出てみると昨日カブルストーンに入っていた、アルメリックをボードを乗ったサーファーだった。今日も昨日と同じ時間帯にポイントは違うがまた彼と二人だけだ。

沖に出るとすぐに波が来たのでテイクオフをした。肩ぐらいの掘れる波だが柔らかい波質で私好みだ、ブレークは早めだけれど抜けられる。身体を小さくしながらボードを波の斜面に近づけて、波に手を入れてスピードコントロールさせると薄いリップが飛んでくるのが見えた。更に身体を小さくし、リップが巻き出すカール部分に目をやると、「ゴッゴー」と言う音では無い、「ザザザザァー」とソフトな音と共にチューブの中に包まれた。「オープニングライドからついてるなー」と再度沖を目指してパドルアウトしていると先程より大きな波が来た。ショルダーの方からだったが、構わず乗ると、またさっきの波のようなチューブだった。ほんの数秒の間だけれど、「最終ラウンドの贈り物だ」と噛み締めながら2本目のチューブを抜けた。

そう、明日の早朝バリに向けて出発する。

バリに帰っても仕事がある訳でもない、滞在期間延長しても何も支障は無いのだが、一度帰って色々と仕切り直しをしなければならない事がある。

このままここにいてもスンバワドリームハウスの下調べは終わっていて、だらだらサーフィンだけしていても進展は無い。スンバワドリームハウスのメンバーが後2人集まれば、計画実行に移せる段階まで来ている。

本来なら家を建てるなんて長いスパーンで考える事かも知れないが、ワタシの中で火がついてしまったのと、1人のメンバーに、「コロナで時間がある今、やるべきだ。」と背中を押され、早くスタートしたくウズウズしている状態だ。

この計画を発表した後、自分の予想以上の速さで物事が進んでしまい、まだ心の整理ができていない状態だった。しかしこの2週間という短時間の間にリサーチと心の整理は済み、新しい人生のスタートをきる自信が湧いてきた。

バリに帰ると、スンバワの様な魅力的サーフィンライフはないが、スンバワドリームハウスのメンバーが集まれば、この先ずっと仕事をしながらスンバワでのサーフィンは約束されるのでそこに集中して行く。