鳥肌立つ回数が多いほどよい人生。

スンバワの午後は家で音楽を流しながら作業をしてる事が多く、この1ヶ月ほど毎日来る日もキース・ジャレットのピアノか、卒業写真という有名な曲を歌うハイファイセットか、どちらかだった。「いい加減マンネリ化してきたなと思い、たまには違う曲を聴こうと思うが誰の曲が聴きたいのか頭に浮かんで来ない。

昔だったら自分が持っているCD.その前だとカセットにレコードの中からお気に入りの曲をかけるしか方法は無かったけれど、時代はもう2022年間近。どんな曲でも良いので、自分が青春時代の頃の曲が聞きたかった。早速音楽アプリのsopotifiで80sヒットソングと入力するとずらりと懐かしいバンド名が並んで出てきた。

まず目に止まったのがイーグルス。

イーグルスは私のジャスト世代ではないけれど、サーファーの先輩の影響で20代の頃によく聴いていた。

インドネシアに住んでいると英語圏の国では無い為か洋楽を聴く機会が以前住んでいたオーストラリアよりも遠ざかる。だから久しぶりにイーグルというバンド名を見たときに懐かしい思いがした。

バンド名も曲名もぼやけてしか見えなかったので愛用の老眼鏡を手に取り早速イーグルを「ポチッ」と押してみた。イーグルスの曲は沢山聴いてきたけれど、メロディーと曲名を一致して知っているのはほんの5.6曲ほど、spotifiで「ポチッ」と押したけれど、イーグルスのどの曲が流れて来るかは分からなかった。

そしてその曲の伴奏が始まった瞬間、「ソワソワ」体中に鳥肌が立つのを感じた。そして三十数年前まだ茅ヶ崎にいた頃、先輩が借りていたボロアパート三栄荘で旧友と過ごした時の思い出が蘇ってきた。あのときはすでにCDは出てたけれど、なぜかボロアパートにおいてあるボロラジカセにカセットテープを差し込んで聴いていたと思う。

spotifiでたまたま「ポチッ」と押した曲は3~4分程で終了してしまったが、そんな短い時間の間に、思いがけなもしていなかった昔のことに浸れて、心がほんのりとなった。

ここで文章止めとけば完結なんだけれど、余談でひとつ。

また青春地代の話になってしまうんだけれど、25年ぐらい前、まだバリに住む前。オーストラリアから旅行でインドネシアに来てた頃、コンちゃんと一緒にバスに乗りスマトラ島までサーフィントリップに出た時、ジャカルタからスマトラ行きのバスの中は当たり前だけれど、外国人は僕ら2人だけで後は全員インドネシア人、52時間ノンストップのハードなバスの旅だった。バスでは静かめの音でラジオが流れていた。ラジオの音を気にすることもなく早く目的地につかないかなー。乗り物疲れした身体でボーッとスマトラ島の車窓を眺めていたら、突然「アンナああ」と甲斐バンドの曲が流れててきた。

一瞬、なんでインドネシアのラジオなのに甲斐バンドが流れるのと、頭の中は???マークだったが、当時、日本を離れてから8年ぐらい異国の地で昔懐かしい甲斐バンドのアンナが流てきて、あの時も今日のイーグルスのように全身鳥肌状態でほんのりした気持ちになった事を思い出す。

人生は鳥肌立てれてほんのりした気持ちにどれだけ多くなれるか?が大切なのではないのかと思うな。