今日は波が小さくなり、朝は上げ潮周り。そんな時はカブルストーンのライトがグッドコンディションになる。最近朝日が出るのが遅くなり6時にやっと明るくなりはじめ、日に日に気温も水温も低下中で朝一サーフィンに行くのが少し億劫になる。
しかしダラダラしているとハイタイド周りが過ぎてしまうのでまだ肌寒い6時過ぎに、ゆっくりとバイクを運転しながらカブルストーンに向かった。
貸し切りかと思っていたが既に1人サーファーが入っていた。波を見る場所からポイントまでは数百メーターの距離があり、サーファーの姿は豆粒程にしか見えないけれど、その距離からでもターンのあとには凄いスプレーを飛ばしながら乗っている姿が見えるので、誰が入っているのかすぐに分かった。
レイキーに長年住んでいるオーストラリア人は、元WCTサーファーと思えるような凄いサーフィンをする。彼は毎朝うす暗いうちからその日の一番良い波のポイントに入っていて、今日も私がパドルアウトでポイントに向かう途中に目の前で際どいオフザリップからのラウンドハウスのリエントリーを見せつけられた。
ここの波はテイクオフが易しく、立った後に波のサイズが増し、内側に湾曲にカーブを描いた斜面を波に合わせて弧を描いて行くようなサーフィンができる。スピードをつけてかっ飛ばす波では無いけれどラウンドハウスカットバックの練習には最適の波だ。
沖に出ると波数は多く、初めに入っていたオーストラリア人に「グッドモーニング」と挨拶をしようとしても、彼が乗る、そして私が乗るの繰り返しで中々近づくタイミングが無い、そんなことを10往復位している内にオーストラリア人のサーファーは最後の波をつかみライディングを終え波が厚くなったところでパドルアウトをする私に「Bey」と手を振って上がって行ってしまった。
その後一人沖で波を待っても一向に来ない、オーストラリア人サーファーが上がった時からピッタリ波が止んだ。彼が海から上がった時間はまだ7時過ぎだったと思う。日の出が遅い今時期はサーフィンできるのは早くても6時から。オーストラリア人サーファーは長くても1時間しかサーフィンしないで上がってしまった事になる。
別に仕事に出かけるわけでも無いし、波も悪くは無いので、普通なら1時間以上は入るだろう。長年ここに住んでいる彼は、この辺の波を熟知しているのだろうな?など考えながら、太陽の光で眩しく照らされた緑豊富な山と玉石が引き詰められた湾状になった海岸線の方をたまに振り返り波待ちを続けた。
ハイファイセットの卒業写真と言う歌を口付さみながら波を待っていると、15分ぶり位にセットが入ってきた。ハズレ波も多く来るこのポイントだが、セットは右奥がピークで盛り上がり左側はショルダーが落ちた形の良い波だった。セットだからと特別に掘れた波にもならず、ベストポジションから余裕を持ってテイクオフが出来た。ボトムに降りてターンをしたら湾状になった波の切れ端に来たので、先程パドルアウトしてくるときに見た、オーストラリア人サーファーのラウンドハウスカットバックからスープのトップに「バコーン」と当てこむイメージで、身体を進行方向と逆側に反転させてゆっくりと大きな弧を描くイメージでカットバックを始めた、徐々にボードと身体はスープ方向に向きはじめ、反対側からやってくるスープも見えてきた。しかしもうそこまでが限界、ねじれた身体にはスープの高い位置にボードを当てこむ余裕なんて残ってない。
無様にノーズが向こう側から押し寄せてきたスープに「ズボッと」音が出たかのようにツッコミ、なんとかボードを元の体制に立て直せたが、オーストラリア人サーファーのとは全然違う、「ラウンドハウスちょっとバック」を成功させた。
この先、数日間の内にはバリに戻る予定だ、バリに戻るといくらコロナで海が空いていると言っても、ここスンバワの様に自分が乗りたい波を選んで、毎回何十本も乗れることは無い。バリに戻る前に沢山サーフィンして少しでも上達してから帰りたいなと思う。
今日もこのあとはレイキーピークで2ラウンドやるつもりだ。