ジャパニーズオヤジサイズのレイキーピーク

ここ2ヶ月近くスンバワハッピーハウスの建築現場の進行が中盤を通り越して後半に入ってきたので、細かいところのチェックやら、遠く離れた街への資材買い付けの頻度が増えたのと、もう一つは傷が化膿し中々治らないのでサーフィンをやったのはほんの4回程度。

皆さんも経験したことあると思うがサーフィンにハマっているときは波のことばかり気になり、毎日毎日サーフィンしたくなる。2-3日サーフィンしない日が続くとなんだか病み上がりのような身体が汗でギトギトした様な感触になり塩水で身体をスッキリさせたくなるのではないだろうか?

しかしある一定の期間サーフィンをやらない日が続くと今度は海のすぐそばに住んでいても波のことも気にならなくなるし、「まあ今日もやらくていっか。」とサーフィンから遠ざかり、そしてたまにサーフィンしてもパドルもライディングも調子悪く、自分の中で言い訳をつけて「今日はやったからまた今度いつかやればいいでしょ。」とさらにサーフィンから遠ざかっていく。

私はそんな日々が続いていたのだけれど、昨日の遅い午後スコールが来るとそれまでは外にも出たくないほどの灼熱の太陽が一気に陰り、午後によく吹く南のサイドショアがオフショアに変わった。朝が確実に良い波のレイキーだけれど、毎朝子供を学校に送り現場に向かうので朝からサーフィンする気にはなれない、そしてこの時期は年間を通して太陽光線が一番強烈な季節で日中のサーフィンは暑くてやる気が出ない。だからオフショアが吹く涼しい午後は私にとっては絶好のサーフィン日和。サーフィンにハマっている時ならそんなコンディションにすっ飛んで海に向かうのだが、昨日は「どうしようかな?また自分に言い訳つけてやるの止めようかな?」と暫くの間葛藤したが、重い腰を上げて家から700m程離れたレイキーピークヘ徒歩で向かった。

ナンガスの湾曲になった白砂の海岸を少し南に下るとレイキーピークのブレイクが見えてくる。遠目に見て、サーファーは2~3人そしてセット間隔は長めで波は胸ぐらいに見えた。

レイキーピークの波を求めて来るサーファーには決して良いコンディションには見えないが、「ジャパニーズオヤジサーファーには絶好のコンディションだ」久しぶりに行くサーフィンにテンションが上がり誰もいない砂浜を小走りにAフレームの波が割れるピークの正面にたどり着くと、すぐさまボードに寝そべり、肩の根本から一漕ぎ一漕ぎづつゆっくりとパドルの調子を確かめながら沖に向かった。

到着するとそこには2人のロングボーダーと、ファンボードのお爺さんサーファーに加えリップをバシバシやりそうな30代のサーファー4人がいた。岸から見たときは胸位にしか見えなかった波は、小さめの物で胸、セットは頭。見た目通りに波数は少いが私を含めて5人しかサーファーはいないので、一度セットが入ると確実に波に乗れる。ハイタイド周りで優しいテオクオフから3ターンは決まるジャパニーズオヤジサーファー好みの波。

その場にいたサーファーたちは私を含めて、多分こんなレイキーピークの波を求めていたのだろう?それは波を乗り終わって沖に戻ってきたときの皆の満足げな顔を見れば分かる。

暫く5人だけの時間が続いたが、波数がさらに減ってきた頃に、バリバリのサーファー風の3人組が入ってきた。横耳で彼らの話を聞いていると、さっきは波があったのに、今日はレイキーピークでなくレイキーレイクだと言っていた。

多分彼らは本物のレイキーピークの波を求めて来たのだろう。しかし予報ではこの先もジャパニーズオヤジサイズが続きそうだ。

レイキーでは、この様な小さな波が続くときは一気に人が少なくなる。バリ島ではローカルに外国人、万までは行かないと思うが数千人単位で在住サーファーがいる。そしてそれに加えて旅行で来ているサーファーも星の数ほどいる。一方レイキーピークは外国人在住者に全てのローカルサーファーを合わせても50人にも満たないだろう。そして旅行でレイキーピークに来るサーファーは上記の波予報のような小波が続くときに来る人はほとんど居ない。だからこういう時、海はガラ空きとなるのだろう。

昔もバリでも波が小さい日は貸し切りサーフィンが出来るような場所もあったけれど、今は波が良いと上手なサーファーとローカルがバシバシ波に乗りジャパニーズオヤジサーファーが波にありつける隙間は無い。そして波が小さくなり「チャンス」と思い海に行くとローカル同伴のサーフィンスクールが開催されて、初心者に、女、子供達がルールも秩序も守られず、芋洗い状態でサーフィンをしている。そんな中攻撃的で無いジャパニーズオヤジサーファーにとっては、波が良くても悪くても、小さくても、波にありつけず、無駄なパドルと永遠の波待ちとなる。

コロナ騒動の間は昔のバリを想い出させる楽しくサーフィンできる時間もあったが、この先は緩和に向かうので、金剛コロナ騒動の様な騒ぎが起きないかぎりジャパニーズオヤジサーファー達が楽しくサーフィンできる日が訪れるコトハ無いのだろう。

ちなみにここレイキーピークは左の青の数字が3~5位の日が続いているときがジャパニーズオヤジサーファー日和、2~4だとロングボーダーに良い波、そんな時は必ずすいているので、ジャパニーズオヤジサーファーは小波時を狙って来るのが良いだろう。