「朝イチのサーフィン気持ちいい。」最近まではこのような言葉を発するなんて夢にも思っていなかった。
20年以上乾季の時期に波が良くなる、バリ島西海岸のビンギンをローカルポイントとしてサーフィンをしているが、乾季の西海岸は潮周りは朝より午後の方が良く、日が登り少し気温が上昇したころからオフショアーが吹き波が整い始める。だからもし1日の内に1ラウンドやるとしたら自然と午後を選ぶ確率が高くなる。それともう一つは数ヶ月前までは、毎晩お酒を飲んでいたせいで、朝は身体が重くサーフィンする気がおこらなかった。
オーストラリアに住んでいた1990年ー2000年は夜10時まで寿司カウンターで働き、家に帰り就寝につくのが夜中の12時を回ってからだった。このような生活パターンだと起床は必ず太陽が出てからとなり、どうしても朝イチでサーフィンに行かなくなってしまう。
バリに移住してからは上記で述べたようにポイント目の前に住んでいても20年で朝イチでサーフィンしたのは数える程度だ。だからこの30年間で朝イチのサーフィンはほぼした事が無いことになる。
でもそんな朝イチ嫌いの私に転機を訪れさせてくれたのがレイキーピークだ。レイキーの朝はポイントの山手に連なる小高い山から冷たい風が吹きおろしてくる。バリ島では乾季と雨季で全く逆方向からの風が吹き朝から晩までオンショア、その反対に終日オフショアとなるが、レイキーでは年間300日以上はオフショアーが吹く、そして昼前後にはオンショアに変わることが多い。
朝イチ嫌いの私でも、絶対に朝波が良いそのような場所では、だるい体に鞭を打ち朝一にサーフィンをする様になったのだ。
以前までの朝イチサーフィンの経験ではサーフィン後身体がだるくなり、関節の節々に痛みを感じたりしていた。だから「やはりサーフィンは朝では無く身体がほぐれてからでしょう。」と勝手に解釈していたのだが、今は身体もだるくならず、少々身体に痛みがあっても、逆にサーフィン後に痛みが取れ爽やかになる。
遅かれながらやっと今の年齢になりわかったことだが、お酒をのんでいたせいでそのように身体が痛くなり、だるさを感じていたのだ、そのせいで朝イチのサーフィンを避けていたと言っても良いだろう。
朝起きてアルコールが体内から消えた身体で、人が少ないスンバワの海で大自然を感じながらゆっくりとパドルアウト、沖にいるサーファーと顔を合わすとニッコリと挨拶を交わす。波を1本乗り誰も乗っていないマシーンウェーブがブレークしてゆくのを横目に見ながら、またゆっくりとパドルして沖に向かう。そして波待ちをしながら周りを見渡すと自然の恵みを感じて幸福な気持ちになる。
朝イチのサーフィンが好きな人は波が良いからというだけでなく、このようなフィーリングを感じれる朝が好きでやっているのだろう。
ふと思い出したのだが、そういえば毎朝日が登る前からサーフィンしている金木さんは一切お酒を飲まない人だ。
自分がお酒をやめると以前では見えなかった事が見えて来たのかも知れないな?
今はビンギンでの朝イチサーフィンをしているが、スンバワでもビンギンでも朝イチサーフィンは気持ちがよい。こういう事を知ってしまうと、いっそうお酒は良くないと思えて、このまま飲まない生活が続けられそうだ。
現在お酒をやめてから2ヶ月半、実はその間にスンバワドリームハウスメンバー決定でビール一杯、浜さんの誕生日にワイン一本、アグン山登頂祝いでワイングラス一杯、娘も誕生日にワインハーフボトルを飲んだが全てはお祝いで、晩酌では一度も飲んでいない。もう以前の様に意味も無いのに晩酌する生活には絶対に戻らない自信がある。
30年間も朝イチサーフィンをしなかったのも毎晩お酒を飲んでいたせい、それだけでは無い、お酒をほんの2ヶ月半やめただけで、持病のヘルニアからくる神経痛は7割痛みが消え、歳のせいだと思っていた視力が回復を始め、すぐに忘れていた人の名前もちゃんと覚えられる様になり、遅くなってしまった暗算も若い頃のようにスラスラ出来るように戻ってきた。
今シラフになって以前の自分を思い出すと、お酒のせいで神経と脳がやられていたという事も分かった。それも一時的では無い、何十年もの間やられていたのだ。お酒は合法だけれど、そんな身体の状態は覚醒剤などのドラッグを何十年も使い続けているのとさほど変わりは無いだろう。
このことに気が付けて本当に良かったな。と思っている。お酒を飲み続けていると100%確実に身体に影響を及ぼし死の原因にもつながる。
まだ禁酒歴の浅い私が偉そうには語るには早いけれど、皆さんお酒は飲まない方が良いですよ。
さて今日はサイズダウンで朝は潮周りに合わせて7時からサーフィンしてました。ビンギンでは胸位で波が少なめでした。午後から急激にサイズアップの予報出ているので期待しましょうー