歯が抜けた夢を見た真相は。

先日食中毒にかかり衰弱していた胃腸も元にもどり、気怠かった身体も大分回復して来たがまだ100%本調子では無い、疲れた身体で朝から張り切ってサーフィンする気分になれないので易しい波のカブルストーンライトにリハビリサーフィンに行く事にした。

このポイントは中潮以上の潮位が大きい上げ潮時に良い波となる。今日の潮周りだと朝7時から上げ潮モードとなるので、丁度その時間に到着する様に宿を出発した。

3~4日前ここに来た時はオーストラリア人サーファーが一人先に入っていたが、今日は誰もいない。この後混雑する事はまず無いのと、満潮は2時間後の9時なので「焦って入る必要も無いな」と、すぐにパドルアウトせずにしばらくの間海を眺めていた。

ここは小さな湾になっていて、湾の右側がライトのポイント、湾の左側がレフトのポイントになっていて、ライトとレフトでは全く異なった波が立つ。

今日はレフトの方が波数が多く良い波が入って来ている事が分かった。しかし易しいテイクオフのライトとは異なり、レフトはスットーンと落ちるテイクオフからチューブに入る波だ。それほど波のサイズは無いのだがサーファー魂をそそられる形の波。

レフトにするかそれともライトにするか迷ったが、一瞬忘れかけていた「あっ今日はリハビリサーフィンに来たんだ。」と言う事を思い出し、易しいライトの方に行くことにした。

この前来たときより波は少し大きく、セットで頭位、何時通り「ラウンドハウスちょっとバック」の練習に最適の波。

波は定期的に来たり止まったりだが、なんせサーファーは私一人だけなので、そんなコンディションでも乗り放題。

最近では、このように6ヶ月前までは考えられない夢のようなサーフィン生活をしている事も当たり前の感覚に近づきつつある。

波待ちをしていると対岸にくっきりと見える半島は緑で埋め尽くされ、岸側を振り返るとそれほど高さはないが遠目に山と深い森が見え、玉石が引き詰められた湾曲した海岸線の後ろには椰子の木や南洋の木々で覆われ、空を見ると真っ青な青空に大きな真っ白な雲が見える。そして1人でサーフィンしていると人間の声も無し。「ザブーン、ザブーン」と波の音しか聞こえない。自然の色が緑、青、白、赤と濃い原色のスンバワは人間に破壊されていないヒマラヤの山奥に匹敵するほどだ。

そんな景色のなか波待ちをしていると、近々帰るバリの景色が浮かんで来た。

スンバワから思うバリの海は、男、子供、女、初心者、誰も彼も我先に我先に必死に波を追いかけ、自分が波に乗ることしか考えず、ビーチを見ると、南国を求めて来た大勢の観光客達が挑発的な水着を来て大はしゃぎ、波待ちをしているとビーチクラブから、「ドンチャンズンチャン」と大音量で攻撃的な音楽が聞こえてきて、その上空には「キュイーン」と言う不愉快な気持ちになる音を出すドローンが飛び交っている。

そして大気汚染された空、海、木々、太陽の色が薄い。その様な色の中にいると心も薄くなってくる。

「あーっ」そんなことを考えているとバリでやっていける自信無いな~。

今日の朝は左下奥歯から5本歯が抜けた夢を見た。こういう夢って心のどこかに不安がある証拠だと思う。